形成外科専門医とは?
[ドクター] / 3,278 views
形成外科?整形外科?
皆さんは形成外科という医療専門分野があることをご存じでしょうか?
あまり聞きなれないかもしれません。形成外科は戦後にアメリカから学んで成立した科で、大学でカリキュラムができてから、まだ60年ほどしか経っていません。
一言でいえば、傷や変形をきれいに治療する為の科です。
「では整形外科は?」と思われた方もいるかもしれません。
整形外科は主として骨、関節の外科のことを指します。
“美容整形”という、医療用語としてはあまり適切ではない言葉が広まった為に、整形外科と形成外科とを取り違えてしまう人が多く居るのですが、実は美容外科は、形成外科で扱う科目の一部に相当します。
形成外科では、顔や手足など身体表面の、先天的、または後天的な異常、例えばケガ、やけどやあざ、皮膚潰瘍、がんの切除とその後の再建などを行います。乳がんで摘出した乳房の再建なども形成外科の守備範囲です。この“形成外科”というキーワードは、美容外科の病院探しでは重要なファクターとなりえると思います。
一人前の形成外科専門医になるまで
美容外科選びに関しての説明がより分かり易くなる様に、先ずは形成外科の専門医になるまでのル-トを確認してみましょう。
医師になるには、当然大学卒業後、医師国家試験をパスする必要があります。その後2年間初期臨床研修を行います。いわゆる“研修医”です。通常はその後に、各個人が自分の専門科を決定します。
形成外科を目指す場合には、先ず形成外科領域全てに関して、定められた研修カリキュラムにより4年以上の専門医研修を修める必要があります。その後、手術症例書類、筆記試験、口頭試問からなる資格試験に合格すると、晴れて形成外科専門医として認定されます。総合内科専門医が1万5000人以上、外科専門医が2万人以上いるのに対して、資格試験にパスした形成外科医は2000人強ほどしか居ません。
形成外科の経験は美容外科選びの必須条件では?
ここで、少しぞぞっとする怖いお話しをしたいと思います。
先ほど、形成外科医になる工程を紹介しましたが、専門科で研修を行う前に、2年間の研修医経験が必要と書きました。この期間に定められた7つの科での研修を修了すれば、法律上は、翌日からどの専門科の治療でも行えますし、病院の院長に就任することも可能なのです。自動車免許と同じです。免許さえ取得できれば、その翌日にドイツのアウトバーンで時速200km走行をしても誰も文句は言えません。でも、当然かなり危険です。しかも、研修が定められている7科の中に形成外科は含まれていないのです。
一人前の外科医になる為には、素人が考えても経験の積み上げが必要なことは明らかです。
ところが、世の中には形成専門医の資格はおろか、研修経験もない美容外科医がたくさんいる、というのが現状です。中にそれでも腕の良い医師がいるかもしれませんが、リスクはなるべく避けた方が賢明です。簡単なまぶたの手術なども含めて、外科的な処置を伴う施術を行う時には、病院の院長と執刀医師が、形成外科の専門医認定を持っている、あるいは、数年間の研修経験があることが、安心確保の為の大事な目安だと思って病院探しをしてみてはいかがでしょうか?
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