日本の美容外科に忍び寄るリスク
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専門外の医師の増加による、トラブルの増加
美容医療は、自由診療の許された分野です。価格はサービスの内容によって自分で設定することができます。
そのため日本では美容外科を病院経営の底上げとして取り入れるケースも多く見られ、専門をまたいで参画してくる医師も増えています。これには、どうしても失敗のリスクが伴います。
そもそも美容外科では、一般医療と違ってゴールラインが患者によって違います。どんな患者ともコミュニケーションをとれる能力はもちろん、社会環境によって美醜の基準も変わるので、技術力以上にセンスが求められるのです。
施術名や施術に使用する機器が同じでも、それを駆使する医師のテクニックによって結果は全く違ったものになります。
良い施術や機器を開発することは大切なことですが、同時に良い専門医師の育成も行わなければなりません。それに反するように兼務医師ばかりが増えたためか、トラブルの増加も問題になっています。
美容整形では修正手術が最も難しい、敬遠される施術といわれています。一度手を加えた部分を元に戻すことは基本的に不可能であるため、今後こうしたトラブルを防ぐために何らかの手段を講じる必要があるでしょう。
専門医の細分化よりも、付加価値競争が激化
現代、ただモノやサービスを売る時代は過ぎ去り、そのものにそれ以上の価値がなければ必要とされるのは難しくなっています。
この先、施術自体よりも入院中の食事やその他のアフターサービスなどでの競争が更に激化することは、大いに予想ができるところといえるでしょう。産婦人科などは生まれてくる子供の人数をコントロールできないので、すでにこうした競争が激しくなっています。
先に述べたように美容外科医には高い技術とセンスが問われます。そのため、それぞれの医師の専門が細分化され、研究を重ねていくのがある意味では正しい変化なのです。
鼻なら鼻、顎なら顎、わきならわきの専門。複数の箇所を同時に手術する際は、一般医療と同じようにそれぞれの医師が集まって会議を開くのが理想的なのかもしれません。
しかし、そうした細分化よりも医療外の付加価値競争に力を注がねばならず、クリニックの運営利益の方に力が傾いてしまっているのが現状です。
美容整形は、おそらく永続的に消費される医療サービスのひとつです。人間が生きている限り、美しさは求められ続けます。
こうした人の内面に直接響くサービスはあまりありません。
ひとりひとりの美容外科医が積み上げてきた歴史は、「魔法の手」にも等しい力を秘めているものです。技術力を押し上げ、守り抜く砦としての力が今まさに美容外科業界に求められているのではないでしょうか。
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