裏側矯正（舌側矯正）

概要・効果

別名「舌側矯正」もしくは「（マルチ）リンガル矯正」。読んで字のごとく矯正装置を歯の裏側に装着する手法です。取り付けるものは丈夫な金属ですから、噛む力にも十分に耐えられます。そして人体にほとんど害のない接着剤で取り付けるので安心です。金属を固定してからワイヤーにて全体のフォルムを微調整し、患者が望む歯並びへと近づけていきます。

歯の裏側につけるため言うまでもなく目立たず、非常に需要の高い矯正術です。反面、歯の矯正方法の内でもトップレベルで困難な施術ですから、クリニックと医師を厳選する必要があります。

クリニックによっても取り付ける装置に差があり、歯磨きがしやすいタイプ、矯正期間が短くて済むタイプなど様々に分かれています。

こんな方におすすめ

□特に出っ歯を矯正したい方

□歯のホワイトニングも並行したい方

メリット

□装置が目立たず周囲にばれにくい

□歯の裏は表に比べ頑強なので、負荷に耐えやすい

□唾液で装置が常に洗われるため汚れにくい

デメリット

□1か月ほど滑舌が悪くなる恐れもある

□表側矯正よりも割高

□施術可能なクリニックが少なく見つけにくい

失敗例

上手に装置を取り付けないと、歯の裏側が磨きにくくなり虫歯を招きます。また、相当に高度な技術を要するため、下手な医師に当たると延々装置を付け替えて矯正を繰り返す事になる事さえあります。そして、その期間中は元々よりも噛み合わせが悪くなるかもしれません。

さらに最悪の場合、結局表側からも矯正しなければいけなくなり「目立たない」という最大のメリットが失われてしまう可能性も。仮に失敗しても「再矯正不可能」という段階にまで陥る事はまずありませんが、修正には全体的に時間を要する傾向にあります。

施術の名医

再三の強調になりますが大変難しい施術です。ですから「矯正歯科専門」かつ日本矯正歯科学会の「認定医」を選びましょう。その中からさらに「裏側矯正」の実績がピンポイントで多い人に厳選して下さい。どんどん絞り込んでいくイメージを持ちましょう。ドクターの人柄などももちろん重要ですが、特に裏側矯正の場合はドライに考えて技術の方を最優先すべきです。

口コミを調べる事も当然有効です。この際「不評・不評交じり（○○は良いが○○は悪かったなど）の口コミ」が1つもないクリニックは、情報操作をしている可能性がなくもないので、避けた方が良いかもしれません。「好評95%、不評・不評交じり5%」程度のクリニックを探してみてはいかがでしょうか。

麻酔

局所麻酔がメインです。

その他、笑気麻酔、静脈麻酔などが行われています。

術中・術後の痛み

食べ物などを噛んだ時に痛む事がある。

3日目辺りが最も痛い。

7日前後で痛みが引く。

矯正期間

通常1年半～2年

元々の歯の状態が良好ならば1年程度

補助装置を組み合わせるならば3年前後

施術時間

施術時間は50分～60分程度

料金相場

100万円～150万円ほど。

分割払いが可能なクリニックが多い。